tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

人間が住む地球環境を、より豊かでより快適なものにするために付加価値をどう創りどう使うか。

異次元金融緩和継続と駅近マンション・バブル

2017年08月12日 10時59分32秒 | 経済
異次元金融緩和継続と駅近マンション・バブル
 知人がJR中央線沿線の三鷹―立川あたりのマンションを探しているというので話を聞いてみました。

 今いる所より少し広い所を考えているというのですが、どうも最近値上がりしているようだと言います。

 私の住む国分寺でも最近、駅の北口開発で入居者募集中のツインタワーをはじめ、すでに、販売、入居が終わったマンションもいくつかあります。
 いずれも駅近で、名のある企業のものですから値段もいいのかもしれませんが、聞いてみると、いわゆる「駅近」、駅から徒歩数分の新築マンションは売れ行きが結構いいようだというのです。

 ところが、夜、駅からの帰途、そうしたマンションを見ますと、どうも半分も明かりがついていません。昼間通ってみても、洗濯物の干してある家は随分少ないなという感じです。

 マンション探しをしている知人の話ですと、どうも実需でない業者などの買いがかなりあって、「完売」といったことになっているらしいなどといいます。
 都心のマンションブームの話もTVのドキュメンタリーなどで見ますが、都心、駅近といったところで不動産バブルが起きているようです。

 考えてみれば、環境条件としては、不動産バブルの可能性は十分考えられます。
 アメリカ、EUなどが、 テーパリング(異常な金融緩和の是正)に動いていく中で、日本だけが2%インフレの達成時期を延ばしてまでも異次元金融緩和を続けようというのです。

 状況は1980年代後半のバブル期とかなり似ています。あの時も、日銀がいくら金融緩和をしても、 物価はさして上がらず、不動産やゴルフ場会員権、書画骨董などでバブルが起き、1990年代に入って悲惨なバブル崩壊が起きました。

 今も異次元金融緩和継続の中で、消費者物価はなかなか上がらず、余ったお金はどこへ行くのかというと、さきのバブル崩壊で懲りた日本人ですから、すぐに不動産とは行かないのですが、その中でも需要の有りそうな都心、駅近のマンションなら(値上がり期待が可能)という所でしょうか。

 その影響か、この辺りでも、駅近の地価が坪(3.3m²)100万円を超えて来たようです。
 かつてのバブルの時、土地やマンションは人間の生活の基礎を支えるものですから、そうしたものを投機の対象にすることは人間生活の基礎を不安定にするものだと考えていましたが、自由経済システムの中では対策は結構難しいようです。

 せめて闇雲な異次元金融緩和の継続はやめて、日銀はバブルがひどくならないうちに、金融の正常化に踏み出し、不健全な副作用というべき不動産バブルとその崩壊の愚を繰り返さないように考えるべきではないでしょうか。

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